2017年4月2日日曜日

サントリー美術館「絵巻マニア列伝」3


2時からはオープニング・セレモニーです。乾杯の発声を求められた僕は、いま矢沢永吉とイチローが売り出している新プレミアム・モルツを、「『絵巻マニア列伝』の成功を祈念して、カンパーイ!!」と叫んで一気に飲み干しました。

そのあとで、上記のような絵巻物私観を開陳して、ご参集の諸兄諸姉をケムに巻いたことでした。

「僕の一点」は、サントリー美術館が誇る優品?「放屁合戦絵巻」です。見れば見るほど愉快です。笑いがこみ上げてきます。笑いといっても、近代西欧思想の感化を受けた我々は、どうしても忍び笑いになっちゃうかもしれませんが……。

そのアッケラカンとした描写を見ていると、日本人というのはオプティミスティックな国民であるという源豊宗先生の見立てが、本当にそのとおりだなぁと思われてきます。

はたしてこのような絵画が、中国にもあるものでしょうか。もしあるなら、ぜひ比較してみたいものです。きっと、日中美術比較論に新しい視座をもたらしてくれることでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』12

  そのとき『君たちはどう生きるか』の対抗馬 (!?) として挙げたのは、色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)でした。京都美術工芸大学にいたとき、『京都新聞』から求められて、就職試験に臨む受験生にエールを送るべくエッセーを寄稿したのですが、本書から「九勝六敗を狙え」を引用し...