2017年7月28日金曜日

静嘉堂文庫美術館「私の好きな茶道具ベスト10」2<曜変天目>


①曜変天目については、もうずいぶんアップしてきましたので、ここでは僕に曜変虹蜺邪淫説を思いつかせてくれた聞一多のことを、紹介することにしましょう。聞一多の名前は、桑原武夫の名著『一日一言』<岩波新書>で早くから知っていました。715日の条に、「この日、昆明で国民党のテロに殺された。詩人にしてかつ文学研究者。その研究は卓抜な見識に富む」として登場するからです。桑原武夫は聞一多の「臧克家氏への手紙」を引用していますが、あまりにも多くの古文献に恵まれた中国知識人の苦悩や反発は、かの魯迅も吐露するところでした。

私は10年余りも古書のなかで暮して、確信ができました――わが民族、わが文化の病根がはっきり分かったのです。そこでそれの処方箋を書く気になりました。それの方式が、文学史(詩史)になるか、または詩(史詩)になるかは分からないし、どれにしても駄目かもしれません。決定的な処方箋ができ上がるかどうかは、環境がそれを許すか否かにかかっています。しかし、私としては、このやり方に誤りはないと信じています。実は私はあの古書の山を誰にも増して憎むものです。憎むからこそ、そいつをはっきりさせずには済ませないのです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

細見美術館「末法/APOCALYPSE」4

四季の柳を描く。右隻春夏、左隻秋冬なり。右隻は樹の背後に盛上げの柴垣あり。春柳の垂下するさま、夏柳の風になびくさまがすばらしい。左隻は秋柳――長い葉を垂らしている。冬柳――少し雪を被る。葉を打ち落としているが、ごく一部に青い葉が残る。三宝院を思い出させる。左隻にも柴垣あり。左...