2017年9月28日木曜日

佐藤礼奈「トリビュート琳派」3


去年、僕はデモを聴いて、早速オマージュを捧げることにしました。そのお礼でしょうか、先日、佐藤さんがわざわざ静嘉堂文庫美術館を訪ねて来てくれました。京都美術工芸大学時代、ずいぶんお世話になった『京都新聞』にも、大きく取り上げられたとのこと、我がことのようにうれしく感じました。

「トリビュート琳派」ミュージアム・コンサートを、細見美術館館長・細見良行さんの許しを得て開催する予定にしていたところ、先日の台風でキャンセルせざるを得なかったとのことでした。残念無念!! 琳派美術館とたたえられる細見美術館ほど、これにふさわしい美術館はほかにないでしょう。いつの日か、実現することを祈ってやみません。

細見美術館3代目にあたる良行さんとは、本当に親しくさせてもらってきました。最初に生涯の友となるだろうと確信したのは、昭和58年のことでした。その11月に、ニューオーリンズ美術館でカート・ギター博士の日本絵画コレクション展「錦秋万葉」が開催され、それを記念して国際シンポジウムが企画されました。

発表を依頼された僕は、宗達屏風の構図について私見を述べたのですが、それが終わったあと、良行さんはテキサス・フォートワースのキンベル美術館へ一緒に行こうと誘ってくれました。アメリカ留学中であった良行氏さんは英語が堪能で、僕の航空券の変更などもすべてやってくれました。それ以来の親友です。細見美術館で「トリビュート琳派」コンサートを是非やってほしいなぁと思うのは、良行さんとのこんな関係にもよるところなんです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブータン博士花見会4

  とくによく知られているのは「太白」里帰りの物語です。日本では絶滅していた幻のサクラ「太白」の穂木 ほぎ ――接木するための小枝を、イングラムは失敗を何度も重ねながら、ついにわが国へ送り届けてくれたのです。 しかし戦後、ふたたび「染井吉野植栽バブル」が起こりました。全国の自...