2017年9月29日金曜日

東京国立博物館「フランス人間国宝展」1


東京国立博物館「フランス人間国宝展」<1126日まで>

 静嘉堂文庫美術館が人間国宝・室瀬和美さんに大変お世話になっていることや、個人的にも兄事していることについては、以前「饒舌館長」にアップしたとおりです。この人間国宝というのは通称で、正しくは重要無形文化財保持者といいます。

演劇、音楽、工芸技術などなど、美術工芸品のような触覚的形態をもたない文化的所産で、歴史上や芸術上価値の高いものを無形文化財といいます。そのうち特に重要なものは、重要無形文化財として文化庁、つまり国によって指定されることになります。

これを優れてみごとに体現できる人、あるいは詳細に理解した上で正しく修得した人が、重要無形文化財保持者として認定される仕組みになっています。それにしても、「人間国宝」とはうまいネーミングを考えたものですね。

これにならい、1994年、フランスで「メートル・ダール」という称号が作られました。日本では「フランス人間国宝」と呼んでいるわけです。これはフランス文化省により、伝統工芸の最高技術者に授与される称号で、技術の熟練度や制作方法の希少性、技術的革新への貢献度などが考慮されて認定されるそうです。これに選ばれた人は、自身のワザを弟子に伝え、受け継がせなければなりません。

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