2018年2月9日金曜日

鎌近「堀文子展」2


それは絵のそとに書かれた賛文のようなものでしょう。その意味で、堀さんの絵は文人画的性格を秘めているのではないでしょうか。それだけではありません。その自由な生き方も、どこか文人画家を思わせるところがあります。親しくさせてもらっている写真家・飯島幸永さんの『堀文子 美の旅人 画家のまなざしと心を追って』(実業之日本社 2010年)は、その生き方をレンズ越しにとらえて秀逸です。

ところで、「霧氷」に見入っていた僕の耳には、橋幸夫の同じタイトルの名曲が三半規管の奥からか流れてきたのですが、上流家庭に生まれた堀さんは、歌謡曲などにご興味もご趣味もないことでしょう。年譜によると、その誕生は191872日のこと、したがって今は99歳、堀さんの白寿をことほぎつつ、全画業をクロノロジカルに見せてくれる素晴らしい記念展です。

僕は堀さんのように元気に、そして美しく老いたいものだなぁと思いつつ、開会式に臨みました。水沢勉館長の挨拶は、堀芸術の「生命のリアリズム」を語って、とても印象深いものでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

横浜美術館「石内都展」と山口百恵2

坂道も、草原も、ドブ板横丁も、米軍に入りこまれたことによって仕方なく変らざるを得なかったあの街の、独特の雰囲気が、その写真の中では、陰となって表わされていた。哀しかった。恐怖さえ抱いた。 同じ街が見る側の意識ひとつでこんなにも違う。私の知っている横須賀は、これほどまで...