2018年4月5日木曜日

広瀬淡窓11


律詩の一

 東から西 咸宜園 その近辺を散歩する

 南の方へまた北へ 家があったら一眠り

 どこへ行っても座布団は 必ず置いてあるがゆえ

歩き疲れてくたびれて 飽きちゃったらば一休み

木々の葉っぱは風に舞い 窓のスダレに引っかかり

垣根にゃ菊が傲然と 花を咲かせる今は秋

ようやく病も癒えたけど 好きなお酒は飲めないし

この幽愁からどうすれば 逃れることができるやら 

 彦山

  高くそびえる英彦山よ 望めば山気盛んなり

  天気晴れれば建物が こずえの向こうに出現す

  日は暮れ果てて境内に 人っ子一人いなくなり

  空に昇った香煙が 峰に漂う雲となる

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